肩を揉んでも良くなりません

なかなか良くならない肩こりでお悩みでないでしょうか

2019年の国民健康調査によると病気やけが等で自覚症状があるにとの割合を症状別にみると男性では、第1位は腰痛、第2位は「肩こり」、第3位ははながつまる・鼻汁が出るとなっています。女性では、第1位は「肩こり」、第2位は腰痛、第3位が手足の関節が痛むとなっています。

男女ともに肩こりを訴えられる方は多く、「肩こり」は国民病といってもいいかもしれません。

肩こりとは後頭部から首すじ、頚のつけ根から肩甲骨間部にかけて筋肉が緊張し、重くだるく感じたり、張ったような不快感や鈍痛を伴うような状態をいいます。ひどくなると頭痛をひきおこしたり、吐き気をもよおす方もいらっしいます。

肩こりの原因としては「姿勢が悪いから」、「運動不足」、「ストレス」など色々なことが言われていますが、症状の出ている肩だけを治療してもなかなか治りません。

一般的な肩こりの治療

一般的には肩に対してのマッサージ療法、温熱療法、運動療法、安静、薬物療法(シップ薬、筋弛緩薬、局所注射など)を行います。これらはどれも肩が辛いんだからが肩をどうにかしようとする対症療法です。

仙灸堂では肩こりをどう考えるか

肩がなぜ凝ってそまうのか。それは肩の筋肉が常に引っ張られて緊張しているからです。
例えばデスクワークなどで、背中が丸くなってしまっている人は多いです。このような状況ですと、胸の筋肉は縮んだまま硬くなり、背中の方は肩甲骨が外に開き、背中の筋肉は伸ばされてしまいます。このままでは背中はどんどん丸くなってしまうので背中の筋肉はこれ以上伸ばされまいと必死に耐えています。耐えに耐えていよいよ辛くなってくると背中の筋肉たちが「やめてくれー」「つらいよー」と悲鳴をあげてきます。その悲鳴こそ肩こりなんです。肩こりというのは体からのメッセージだったんです。

ではどうしなければいけないのかというと肩を揉めばいいという話じゃないんです。

肩は引っ張られているのを必死に耐えているから悲鳴をあげているのにさらにその筋肉をグイグイもんでも良くなりません。

引っ張られている方じゃなく、引っ張っている方を緩めなければいけないんです。その一つが胸の筋肉。
ここが縮こまっている限りいつまで経っても背中は丸まりやすくなってしまうので肩こりは良くならないんです。

このように辛いところにばかり焦点を当てるのではなくもっと広い視野を持ってアプローチしていかなければ肩こりは良くなりません。

さらに東洋医学的に考えると

例えば、女性で肩こり以外に冷え症のるあ人は、まず子宮の気のめぐりを改善する必要があります。子宮に関係する経絡を刺激することで子宮が元気になると下半身など冷えていた所の気の量が増し、めぐりが良くなり、結果的には上半身の気のめぐりが改善し 特に肩でつかえていた気の流れも通りが良くなり、肩こりの症状を感じなくなるんです。

他に、ストレスを感じやすくイライラしやすい人は、気がのぼせ、肩で気がつかえているため肩こりを感ずることがあります。 この場合は五臓六腑のうち肝の気を充実させると良いです。

漢方では古くからストレスを我慢するのは肝の仕事と考えられている。 肝の気を充実させると、気をめぐらせる元気が出て、のぼせていた気を下半身にも引き下げ 肩でつかえていた気の流れが改善されると考えます。

この様に肩こりは患者さん一人一人の原因に合わせた治療を行っていく必要があります。

肩こりは、からだにどこか悪い所がありますよ、と教えてくれているんです。
そのからだの発する声を聞いてあげ、悪い所、肩こりの原因になっている所を治してあげればおのずと肩こりという症状は消えてしまうんですでね。

肩こりを和らげるためのセルフケア方法