東洋医学では「冷え」を「未病」として重視しています。未病というのは病気ではないんだけど健康でもない病気の手前の状態です。
周りの人はぜんぜん平気なのに自分だけ寒さを感じたり、夏は冷房に悩まされ、冬は手足が冷えて寝つきが悪いなどの他、冷えている自覚はなくても足をさわってみるとかなり冷たくなっているなんて方も結構いらっしゃいます。
冷え性というのは単に寒くて辛いというだけでなく色々な症状の原因になっている場合もあります。
例えば肩こり、腰痛、だるさ、足のむくみ、、、などなど、冷えというのは不定愁訴の元になっていることがよくあります。
そして冷え性の改善でよく出てくるのが「レッグウォーマー!」ですが、それと比べてお灸はどうなのかきになりませんか?
「成熟期女性の冷え症に対する温灸によるセルフケアの効果-多施設共同無作為化比較試験-」という研究結果をもとに見ていってみましょう。
「レッグウォーマーvsお灸」冷え性に有効なのはどっち⁉︎
・実験方法
・冷え性の変化
・他の症状の変化
・お灸のツボやり方
ということでやっていきます。
実験方法
年齢は18歳〜39歳の女性、49人を、お灸する群とレッグウォーマーをする群の2つに分けて実験していきました。
お灸の群は寝る前に各2壮、レッグウォーマーの群は夜間着用して約1ヶ月(4週間)継続して行ったものです。
冷え性の変化
冷えの程度はVAS値で測ってるのですがこれは視覚的評価スケールといって、よく痛みの程度を患者さんと共有するときに使いますが、「0」を「痛みはない状態」、「100」を「これ以上の痛みはないくらい痛い(これまで経験した一番強い痛み)状態」として、現在の痛みがどのくらいを示す方法です。
これを冷えが最大限につらい状態が100で、全く冷えを感じないのが0。
実験前が40くらい。まあまあ冷えが辛い状態からスタートとなります。
1週目の段階ではレッグウォーマーが優勢です。
2週目〜4週目、レッグウォーマーがはじめと比べるとあまり冷え性の程度が下がっておらず、お灸は少しずつ下がってきていているのがわかります。
そして4週間(約1ヶ月)で終わって、その後レッグウォーマーもお灸もやめた後の1週間後をみてみましょう。
レッグウォーマーの方ははじめと同じくらいまで戻ってきてしまいましたがお灸の方はやめたにもかかわらず、さらに冷え性の程度が下がっています。すごくないですか!
他の症状の変化
こんな感じで出ていたのですが、特に肩こり、腰痛や足のむくみ、ぐっすり眠れないなどの症状はお灸をしていた郡が大きく改善しているのがわかります。
それ以外の症状も大なり小なりいい方に変化しているのがほとんどです。
お灸のツボ
この実験で使われたツボは3つ
湧泉、足三里、三陰交です。
湧泉(ゆうせん)
足でグーをした時、足裏でいちばんへこんでいるあたりです。
足三里(あしさんり)
膝のお皿の下から指4本分下、脛の骨の外側にあります。
三陰交(さんいんこう)
うちくるぶしから指4本分上にいったあたり。脛の骨の内側のあたりにあります。
これらのツボにせんねん灸のような温灸を寝る前に2壮ずつ行ったということです。
心地よく感じる温度で、熱いのは我慢せず火傷にならないようにやりましょう。
お灸をする時間ですが、実験では寝る前にやっていますが、ゆっくり落ち着いてできる時間が他にあれば寝る前にこだわらなくても大丈夫です。
ということで今日はレッグウォーマーvsお灸ということでやっていきました。
どちらも冷えの改善に役立つが、長期的にみるとお灸の方が改善していて、また、レッグウォーマーはやめたら戻ってしまいましたが、お灸はやめた後も冷えの程度がさらに減っていましたね。
まずは1ヶ月試してみてはどうでしょう。
こうやってデータに基づいてみていくのも面白いですね。
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